アートの話

中学生が美術館の作品破損した理由は?作者コメントや世間の声を考察

こんにちは、ミライです。
今回は、ニュースで話題になっている「クワクボリョウタ」さんの『Lost6』という作品を修学旅行中の中学生が破損させてしまった件についてミライの意見や、調べたことについてお話ししたいと思います。

中学修学旅行生が美術館の作品を破損!?なぜ?状況や現状について

まず、ニュースの内容をまとめたいと思います。

どの美術館?

十日町市の「越後妻有里山現代美術館MonET(モネ)」

破損されたのはどんな作品

中学生に壊された作品は、クワクボリョウタ氏の「LOST#6」と、
カールステン・ニコライさんの「Wellenwanne LFO(ヴェーレンヴァンネ エル・エフ・オー)」という作品です。

今回この記事で話題にするのは、修復不可能となったクワクボリョウタ氏の「LOST#6」としたいと思います。

「LOST#6」は『越後妻有 大地の芸術祭2022」』の作品で
鉄道模型から放たれた光が織物器具に当たり、その影を壁に投影する作品です。
作品に使われている素材の多くは現地の方に譲っていただいた織り機だそうです。

ちなみにこんな感じ!

引用:https://www.echigo-tsumari.jp/art/artwork/lost_6/

↓作品のメッセージはこんな感じ!

ゆっくりと動く光源が床に置かれた様々なモノの影を大きく壁に投影しながら移ろい、まるでこの地域を旅する車窓からの風景をみるような、あるいは映画をみるような魅惑的な世界が表される。床に展開するのは十日町の織物機具の一部や農機具、この地域で使用されてきた用具など。人々の営みを支えた微細な道具に地域の風景が重ね合わせられる。

https://www.echigo-tsumari.jp/art/artwork/lost_6/

作品の作者クワクボリョウタさんはどんな人?

1971年栃木県生まれ。

【経歴】
筑波大学芸術専門学群構成専攻総合造形コース卒業
筑波大学大学院デザイン研究科総合造形修了
2001年、国際情報科学アカデミー(IAMAS)アート&ラボ科卒業。
98年に明和電機との共作で携帯電光掲示板《BITMAN》制作
エレクトロニクスを使用した作品制作を作っている方で
「デバイス・アート」と呼ばれる独自のジャンルで活動している方。
今回被害を受けた作品(展示室に幻想的な影の風景を紡ぎ出すインスタレーション)
はクワクボリョウタさんの2010年頃からの作品の特徴的スタイルで
展示室に幻想的な影の風景を紡ぎ出すインスタレーションです。

引用:https://www.echigo-tsumari.jp/art/artwork/lost_6/

ニュースではどんな報道がされているの?

展示は4月29日~11月13日までの145日間なされる予定だったそうですが
中学生生徒が壊したのは4月21日だそうです。(??展示前に??)

被害にあった展示の『大地の芸術祭』のホームページでは急遽非公開になったということで
「来場者のマナー違反による接触などにより作品が破損した」と説明しているそう。

ミライ先生

マナーは大事だけど、この出来事を単なるマナー違反としてしまうのも
表面的な気がします。

今回の芸術祭の実行委員長を務める関口芳史(十日町市長)さんは
「大変残念な出来事でショックを受けている」と話され、監視カメラを増やしてに対策を強化する方向でいるそうです。
また、美術館側は警察に被害届を提出しているそうです。

ミライ先生

監視カメラを増やす対策!?
う〜ん・・・そもそもそういうことをしてしまった背景をみないと、
意味がない気がするよ・・・

ちなみに、美術館側は対策をしっかり取っていたので、なんでこんなことが起きたの?となっているそうです。
作品に近づきにくい展示にしていたそう。

『MonET』展示室内には柵が設けられており、飛び越えなければ作品に近づけないようなつくりになっている
2021年にPRしてから、展示の方法を変えておらず、これまで問題がなかった。

作品破損は故意?

壊されてしまったものはもうしょうがないにしても、なんでそんなことになったのか、報道の内容を見る限り不慮の事故ではない感じですね。

BSN新潟放送の記事では作品が破損した経緯について、「生徒が作品を踏んだようだ」と教員から美術館に報告があったと報じている。ただ、実際には故意もしくは過失だったかなど、詳細については公表されていない。

yahoonews

ちなみに作品への破損の発覚については一部の生徒さんから先生のほうにお申し出があったそうです。
見るにみかねた他の生徒さんが先生に報告したのでしょうか?

作者クワクボリョウタさんの話題のコメントとそこから思うこと

この件について作者のくわ久保良太さんがツイートしたコメントが話題になっていますね。
特に文中の「 誰でも若いうちはちょっとした失敗をするもの」という言葉が話題になっているようです。

暗い展示室で何が起こったのか、 どうして生徒たちがこんなことをするようになったのか、自分はまだすべてを理解しているわけではありません。 まだ中学生ですから、これからの発言や対応には注意深くありたいと思っています。 考えてみれば、 誰でも若いうちはちょっとした失敗をするもので、 今回結果だけ見れば一線を越えていたかもしれませんが、それでも誰かに怪我を負わせたわけではありません。

確かに作品は完全に破壊されましたが、物は物です。 幸いこの作品に使われている素材は (その多くは現地の方に譲っていただいた織り機です) どれも修理や再生が可能なようです。 しかも、作者はまだ生きていて作品を修復する気力も体力もあります。 だから、物理的な面ではそれほど深刻な状況ではありません

それよりも重要なのは、生徒たちが内なる不満や怒りや欲望をさまざまな違った形で表現できるように支えることですこれはアーティストの力ではどうにもならない。大人や学校、友だちや地域の人たちの協力が必要です。少なくとも自分は、修復を通じて、この事件が彼らや彼らのコミュニティ、そして芸術を愛する人々に悪い爪痕を残さないよう、最善を尽くしたいと思います。良い夏休みを迎えましょう!

これを読んであなたはどう思いますか?

私の率直な意見でいうと、この作者さんはあくまでも冷静に、壊れてしまったものは仕方ない。ものはいつか壊れるもの。と受け入れていますね。しかも、それを自分一人のものというよりも地域や芸術を愛する人たちのものとして、自分のできることを最善を尽くすと言っています。

気になるのは、報道が美談として「 誰でも若いうちはちょっとした失敗をするもの」という言葉を拾っていることです。

ものを壊すのは悪いこと?心の中にどんな思いがあったの?

人やみんなのものを壊したのは良くないことというのが一般的ですし。
自分の所有物を壊すのすらあまり良くない印象ですよね・・・

マナーとかいう以前に、ものが壊れるということの心理的なマイナスイメージがでかいです。

やったことは「間違っているよ」と言いたいですが
今回の破損を起こした生徒さんたちの「行動自体がメッセージ」(というと綺麗な感じですが)だと思うと
家庭や学校、友人、この社会の中で何を考えて思っているのだろう・・・すごく気になります。
今の時代みんなおとなしい子ばかりだなと思っていたのに正直以外です。

破壊は内なる思いや怒りの表れ?表現することの大切さとは?

また、作者の言葉にあるこの部分が気になりました。

生徒たちが内なる不満や怒りや欲望をさまざまな違った形で表現できるように支えることです

結局どんな心があってこんなことをしたのかわからないので一概には言えませんが、
ものを壊すと言う行為には、仕事でいう解体とかじゃない限り
「破壊、鬱屈、不満、強い訴え、怒り」のようなものがあると思います。

大人になるとそういう心を押しとどめるか、心にしまうか、あってはならないものとして秘めるか、
もしくは大人という権力を振るって、怒りを周りに発散するか、と言ったパターンが多いと思います。

または怒りを自己受容しているつもりで、実はいい子ちゃんになりすぎて自分を痛めつけていたり・・・

色々なパターンの心理がありますよね。

まさにアートはメッセージを伝える一つの表現手段でもあるので、
ひんしゅく買うかもしれませんが、そのくらいの強い思いや憤りを持っている子がいたら、
ぜひ何かスポーツやアートや、趣味や、詩でもいいから、クリエイティブな方向で昇華してほしいななんて思ってしまいました。

ミライ先生

わたしの意見としては、それだけのことをしてしまう強い思いがあるのは
何かに生かしたほうがいいという気がします!

だってそれだけの鬱屈とした思いって、クリエイターやアーティストとして持ちたいと思っても持てない時は持てないし、
大人になって丸くなるほどなくなっていくんですもん。

ミライ先生

内に秘めた強い思いを持っている子がいたらぜひアートをしてほしい!!

結果そんな風に思った今回のニュースでした。

世間の声に対してツッコミをしてみる!クリエイティブシンキング!

ここからは、ちょっとニュースに載っていた世間のいろんな角度の声に、ミライなりのツッコミをしてみたいと思います。

まずこの意見!

《中学生に美術館なんぞを修学旅行の行先にさせるなよ…博物館と違ってスタッフ数も周りの客数も違うし美術館側はデメリットしかないだろ》
《「中学生を美術館に入れるな」とは言わないが「修学旅行生は入れるな」でいいと思う。中学生に限らず人は半強制行動の集団になると連鎖反応で理性が働かないサルになるから。文化的なものに興味のある子はほっといても自分らで行くだろ》

yahoonews
ミライ先生

・修学旅行の行き先が問題なわけではない!と思う。
・みんなの意見に会うことをするのは集団だと難しいから、興味がない子を連れて行かざるを得ないシステムなのもわかる。
・でも、そういう行動になった要因はもっと別のところにあるんじゃないか?

と・・まあこの先もネットを見てるといろんな意見があるのですが、正直わたしとしては、みんな自分の意見を好き勝手言っているだけなので、それを見るのが苦痛です。

ですので今日はこのへんにしておきます。
yahooのコメント欄やツイッターのシステム、どうにかならないものか・・・。

みんな顔をみせて意見を言って欲しいなと思う次第です。

それではまた!

  • この記事を書いた人

ミライ

子供と大人の絵画教室(アートスクール)と インテリアアートのサイトを運営。 【好きなもの】建築、美術、映画、お笑い 【好きな食べ物】インドカレー、スパゲッティ、唐揚げ、うなぎ 【好きなスイーツ】ムース、タルト 【趣味】語学、読書、占い

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