こんにちは!山梨にアトリエを構えるDIYアートラボ(絵画教室)「アトリエミライ」です。
今日は地元山梨の県立美術館にあるフェルナンドボテロの作品、「小さな鳥(a little bird)」のお話をしたいと思います。
目次
フェルナンド・ボテロの「小さな鳥」とは?
はじめに、ボテロといえば、現在東京のbunkamuraにてフェルナンド・ボテロの「ボテロ展 ふくよかな魔法」が7月3日まで開催されていますね!
声優・伊東健人インタビュー 『ボテロ展』で感じた、美術館で本物を鑑賞する素晴らしさ#伊東健人 #ボテロ展 #BOTERO
— イープラス[アート] (@eplus_art) June 14, 2022
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フェルナンドボテロさんは最初に彫刻を試作したのは1960年代初頭。
初めの頃はブロンズ像を作る資金が足りず、アクリルやおがくずなどの素材を使って作品を作っていたそうです。
ボテロの彫刻はほとんどの作品ががブロンズ像だそうです。
鋳造して作られているので何体も同じ作品が世の中に存在します。
ちなみにブロンズ像は粘土で作った原型から石膏型が作られて、その後、ロストワックスという製法でブロンズに鋳造されます。
こうした一連の作業は、イタリアのピエトラサンタで行われています。伝統的な彫刻づくりの技法が受け継がれている町だそうです。
フェルナンド・ボテロとは?
名前:フェルナンド・ボテロ・アングーロ
1932年4月19日生まれ、
コロンビア人芸術家(画家・彫刻家)
バロック様式の教会の残るコロンビアのメデリンに生まれ、少年時代は美術館のような伝統的な芸術資産からは隔絶した環境で育つ。
作品には静物画や風景画も存在するが肖像画が中心。
人間や動物を誇張されたふくよかな体型で表現し注目をあつめる。
"太った人々"を描く理由についてボテロ自身は次のように説明している。
「芸術家は理由など知らずにある形にひきつけられる。You adopt a position intuitively.理屈を付けて正当化するのは後からすることだ。」
と、語っている。特に理由はなくその惹きつけられたからということになりますね。
ボテロの作品「リトルバード」が日本で見られる場所は?(鳥、犬、女性)
ボテロの「小さな鳥」に関しては故郷コロンビアのボテロ広場をはじめ、世界各地の公共スペースに設置されているそうです。
なんで2箇所に同じ像があるの?どっちかが本物でどっちかはレプリカ?
リトルバードは鋳造でできているから型があって何個も同じものがつくれるから世界中にあるんだよ!
ちなみに山梨のも広島のも、本物です!
美術館に問い合わせたら「本物です」と言っていました!
一つは、山梨県立美術館で、こちらは「小さな鳥」が野外で誰でも見られる形で設置してあります。
1990年に6600万円で購入されたというこちらのリトル・バードですが、残念なことに
2019年1月4日に コインのようなもので付けられた傷が見つかるという事件がありました。
二つ目は「ボテロ展」で東京bunkamuraに飾られている広島市現代美術館のリトルバード。
両者のバードは色味が違うようです。
フェルナンド・ボテロ《リトル・バード》1988年
— 彫刻備忘録 (@choukoku17) June 18, 2021
左の茶色は広島市現代美術館蔵。右の黒色は山梨県立美術館蔵。
同じ作品でも仕上げ方や着色で印象が大きく変わりますね。そして環境も異なれば見え方も違う。屋外彫刻は、同じ作品でも新しい発見や面白さを常に与えてくれます! pic.twitter.com/34rbK4pE1l
コロンビアの「小さな鳥」テロで爆撃され、平和の鳥が寄贈
そして、故郷コロンビアのボテロ広場にあるのがこちら↓
実はコロンビアのボテロ広場にも「小さな鳥・リトルバード」が二体あります。
もともとは左側の一体だけだったのですが、1995年にテロリストの爆撃で粉々に吹き飛ばされてしまったのです。
爆破されてバラバラになっており、腹部に巨大な穴が開いています、
なんでもボテロさんの息子さん(フェルナンドボテロゼア)は当時コロンビア防衛大臣だったそうで、和平交渉への不満からテロが起きたそうです。
そして像の基部に残っていたダイナマイトが野外コンサート中に爆発して、30人が死亡、200人以上が負傷・・・。痛ましい事件です。
ボテロは爆撃に反対し、平和への贈り物として新たなリトリバードを寄贈したそうです。そして爆撃の犠牲者の名前が基部に刻まれています。
今は南アメリカで最も平和な街になっているそうです。
他にもあるリトルバードの作品がちょっとずつ違う形と場所
ボテロの小さな鳥と似た作品がいくつもあります。最後の一枚は日本の「リトルバード」と同じ形でおそらく同じ型から作られたものと思われますが、他の二体は少し形が違いますね。
あと、日本では「リトルバード」と言われているのに、海外では“Bird of Peace”(平和の鳥)と呼ばれているようです。
ちなみに、こんなバージョンの鳥も!!
ボテロは動物をよく彫刻にしていたようですが、特に鳥の作品が多いようです、色々なパターンの鳥があるわけですね。
しかも鋳造なのでいろんなところで平和の象徴である鳥が配置されているわけです。
ボテロの平和への思いが伝わってきます。